衆議院議員 吉田六左エ門 元気出せ新潟イメージ
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平成20年度の税制改正について―ベンチャーや中小企業の挑戦と事業承継を応援する―

 私は、平成20年度の税制改正に対し、党の総務部会長、地域・中小企業再生若手議員連盟の会長として臨みました。また、経済産業チームの面々とは、問題意識を共有する課題も多いことから、連携を取り合いました。

 今回の税制改正で、私が陽をあてるべきと考えた政策テーマは、(1)ベンチャー企業への投資の拡大、(2)中小企業の挑戦の応援と、スムーズな事業承継、(3)地域経済の再生の3つです。これについて、税調における私の主張と審議結果について、説明をしたいと思います。

【ベンチャー・起業家にもっと投資を】
 私は税調で、エンジェル税制の抜本的な強化について、口火を切らせてもらいました。私が強調をしたのは、アメリカと比べて、日本の起業家は資金調達の面で大変不利な環境に置かれていること、大きな投資を若い人達に出来るような環境を作って欲しい、ということです。エンジェル投資家を鵜飼いの鵜匠とすれば、起業家は鵜に喩えることが出来ます。鵜匠はすべての鵜に鮎をくわえて帰ってきてくれとは考えていない。10羽に1羽、鮎をとってきてくれればいいわけです。エンジェル投資家にも、鵜匠と同じ気持ちになって欲しいと考えます。
 そこで、今回の制度改正では、創業3年以内であって、赤字のベンチャー企業に対し、エンジェルが投資をした場合に、所得控除が出来る制度としました。

【中小企業の挑戦を力強く応援する】
 新事業に挑戦をされる中小企業の方々への応援としては、今回、3つのことを実現しました。それは、R&D投資減税の拡大、人材投資減税の拡大と中小企業にとって使いやすい制度とすること、IT・ソフトウエアへの投資減税の強化です。
 R&Dについては、特に、研究開発重視型の企業に対する恩恵を拡げる制度改正となりました。こうした企業は、アメリカ・欧州のみならず、韓国や中国の企業とも競争を強いられるようになっています。例えば、中国では、「科技創新(イノベーション)」という看板が街中にみられます。税調では、我が国も米欧アジアに負けないように、世界市場で戦う挑戦スピリット溢れた企業を応援する必要があると申し上げました。
 人材は、中小企業にとって何よりも大切なものだと感じます。社内での研修や外部機関への派遣研修を充実させる必要があります。そこで、人材投資減税について、今回の改正では、平均以上の努力をされる中小企業について、教育訓練費の総額の8〜12%を税額控除できるようにしました。これまでは、訓練費の増加分にしか支援がなく、過去3年分の帳簿から該当経費を洗い出す手間がかかりましたので、中小企業の方々には使いにくい制度でした。今回の改正でそうした手間を不要にしました。
 ITについては、昨今、経費節減や最新のシステム装備といった視点からSaaS(Software as a service)、ASP(Application Service Provider)といった、インターネット経由で情報処理をするサービスを利用される中小企業が増えているという実態が見えてきました。そこで、そうしたサービスについても、情報基盤強化税制の恩典が受けられる仕組みとしました。

【スムーズな事業承継を可能とする】
 中小企業は、過去10年間で、192万事業所が廃業しましたが、新たに創業されたのは120万社に過ぎません。差し引き70万社以上が減っています。その過程で失われてしまった雇用やノウハウ・技術も膨大なものだと思います。
 このようになってしまっている大きな原因の一つが、事業承継の難しさによるものだ、と税調では申し上げました。家には資金が無いにもかかわらず、仲間に頼んで印刷した株券をそれなりの価値で引き継ぎ、相続税を払わないといけないというのは、大変難しいことです。相続する個人にとっても会社にとってもリスクが大きい。また、立派に事業を展開されている中小企業ほど、この問題は深刻です。
 そこで今回、相続後5年間、事業を続け、雇用の8割を維持することを条件に、非上場株式の相続税を8割軽減することに致しました。2割分に相当する税金だけ払えばよいことになります。
 今回の制度改正は、これまでの事業承継制度からみると発想を転換する画期的なものです。そのため、制度や条文の整備をするのも大変であり、税法で手当するのは、平成21年度からになります。ただ、いますぐに必要という方々が多いという実情も我々わかっておりますので、異例のことではありますが、政治決断で、今年10月に予定される事業承継円滑化法の制定以降に、遡及適用するという仕切りにしました。大事な点は、10月までは承継をお待ちいただくことです。

【地域再生】
 地域再生のためには、地方分権と併せて、歳入を増やすことが欠かせませんが、特に、法人事業税について、大都市と地方との格差が広がり、地方の小都市の財政が非常に厳しくなっているとの実態があります。景気が拡大をしても、地方都市の財政は、その恩恵を受けにくいわけです。
 私も、新潟市の政令指定都市化などを進めてまいりましたが、財政が厳しいままでは、いわば手足が縛られたような状態にあり、地域の創意・工夫が発揮できないのが現実です。
 今回の税制改正では、暫定的な措置として、従来の法人事業税の一部を振り向ける形で、地方法人特別税等を創設し、地域に手厚く配分をすることとしました。
 これはあくまで、地方財政の厳しさを直視して採った暫定的な措置です。これから、抜本的な税制改革について、議論し、結論を出していく必要があると考えています。

 今回の税制改正については、税調でも、大きな政治決断をしていただくことができ、私が目指した方向での効果が大きいものとなったと考えます。
 税制改正を盛り込んだ法案をこれから国会で審議することになります。私は、議院運営委員会の理事も拝命しておりますので、中小企業の方々の期待が高い法案の成立に向けて全力を尽くしてまいります。

 また、地域・中小企業の再生の課題については、税制以外にも、金融、債権放棄の手続き、再生人材の育成、入札資格など多々あります。
 これに関連して具体的な話を一つ。中小企業の多くは信用保証協会の保証を受けていることから、再生にあたっては、保証協会に求償権を放棄してもらうことも必要となる場合が結構あります。これについては、地方自治法上の取り扱いが不明確なこともあって、二の足を踏む地方自治体も多くありました。そこで、私は、ルールをきちっと作り、地方自治体の肩を押す必要があると考え努力をしてきましたが、法律論や手続きについて概ね整理が出来ましたので、一カ月ぐらいのうちに、総務省から自治体に対して統一的なルールをきちんと示してもらうつもりです。再生に役立てばと考えています。
 今後さらに、地域・中小企業再生若手議員連盟に集まっていただいた盟友や専門の先生方とも議論を重ねてきましたので、春までには、再生を助ける政策を盛り込んだ提言をまとめたいと考えています。

 引き続き、皆様からご意見、ご助言をいただければ、幸いです。


衆議院議員 吉田六左エ門


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